羽ノ亡キ蝶

霜月遙( 霜月はるか ) 羽ノ亡キ蝶歌詞
1.羽ノ亡キ蝶

作詞:日山尚
作曲:MANYO
編曲:MANYO
歌:霜月はるか·真理繪

黃昏の街で 夜を待つ影は
ただ 惡意だけ曬して
孤獨な少女を 誘う足跡
千の罪を集めた塚へ
誰が名前を呼んでいるのか
聲が聽こえるならば
いざ 飛び立て
羽の亡き蝶が 夢見る空を
僕が 護れるならば(切り裂きましょう)
殘酷な 過去も現在も未來も
淚を拭い去る指で緣の衣
全て 破り捨てよう(舞い散らしても)
あの日 此處で出逢った
瞳の奧の面影 求めて

懷かしき月夜 捩じ曲がる枝葉
まだ 識らじと風が吹く
やさしいばかりの(薄れる)
笑みなど忘れて(願い)
千の赦し 葉えるまでは
土に埋もれた(君は)私の燈
天の嵐にさえも(地の底で)
いざ 逆らう
羽の亡き蝶が 燃える業火は
何も遺さぬでしょう(摑めなくても)
灰となれ 過去も悔いも未練も
虛ろな心へと 刺さる言葉の刃
胸に 受け容されなら(握り締めたら)
朱い雫落とした
瞳の奧の君だけ 捕られる

何處かで羽の亡き蝶が 待ち焦がれるは
遠く儚き背中
屆かない想いなどは要らない
軀を貫いて狂う空木の刃
誰を壞すとしても(殺めようとも)
變える事の出來ない 記憶の底の真實
幾度も 羽の亡き蝶が 畏れる空で
永久に鬥うでしょう(眠れるように)
潔く 生きることを誓って
やがては訪れる永別 最期の契約
傷を 刻みつければ(抉るとしても)
あの日 此處で出逢った
瞼の奧の面影 消えない
羽の亡き(羽の亡き)君の內側で


2.讓り葉の下で·蝶のゆめ

作詞:日山尚
作曲:MANYO
編曲:MANYO
歌:霜月はるか·真理繪

人裡離れた 夏の山の麓
神社の影から 靜かな森へ
誰も通らない 脅道で見つけた
名も無き塚にも 蝶が寄り添う
けれど 僕は獨りきり
木漏れ陽の下
ただ擦り拔ける風のように
隙間の空を仰ぐだけで
何もかも全てが
視えていると思っていた
屆かなくても
背中預けた讓り葉の樹
落ちる葉が絡んだ髮を解いて
土の底へ 僕は眠りに落ちてく…

古びた閨に射す光 袖を濡らす
--君は誰? 蝶のゆめ
--蝶々の聲? 羽は何處? なくした羽を
--息を吞む 白い肌 嘆き續ける
--瞳に映る 泣き顏 望めば孤獨を斷ち切る刃など
私が授けましょう
--近づく 代わりに
--少しずつ 其の軀をください
--鼓動が 此方へ
--重なれば 蝶は綾を織りなす…


3.泣かない蝶々

作詞:日山尚
作曲:MANYO
編曲:MANYO

古裡より見る景色は
黃金色の 芒野原
月明りに 鈴鳴らせば
紛れてゆく 遠い記憶
果たされぬ指切り
待ち人は今もみえずに
呼べども もう屆かぬあの日は
手をすり拔け 何處かへ消えてゆく
淚の理由 乾けば忘れて
終わらぬ獨り旅よ

忌み嫌われ 羽震わせ
蝶は眠る 筐の中で
ふと近づく幼子の目
籠を覗き 檻をひらく
泣かない蝶々は
哀れに見えたのでしょうか
傷つきつつ自由の空へと
ひらりひらり 私は舞い上がる
昔のゆめ 戀しい人世の
逢瀨に縛られながら

澱みに ただ沈めた心に
燈る光 愛しき思い出の
あの子は君 私はあの蝶
小指を絡め合い
葉わないことばかりを願いて
笑う君と 泣けない私達
別れの日に 糾う言の葉
想いをなぞる泡沫


4.空木ノ穹

作詞:日山尚
作曲:MANYO
編曲:MANYO
歌:霜月はるか·真理繪

螺旋の階を驅けて
幾多の夜が逆卷く空木の穹

古の御代より 嗚呼 救いなど無く
唯 死に縋り 奪い合う慈悲
歪んだ片笑みが 世界さえ塗り替えて
鬥う為の舞台を飾る
刻は來りて
天の聲が鐘を鳴らし 誰を導く
螺旋の階の奧で 乾いた蝶が崩れる樣は
十六夜の月の如く 欠けた命の危うき美しさよ

蠟で封じられし 亡者等の言の葉
殘るは一つ 奪い合う羽
無數の拔け殼は 兵の成れの果て
鬥う為の刃は此處に
刻は過ぎ去る
月を割りて灰を散らせ 紅き焰で
十字路に蔓延る影は
痛みも樂も知らず彷徨う
陽炎の風の如く
在り得ぬ心滿たす空白のゆめ

誰かが 摑んだ腳 嘆きの沼

刻を隔てて
其の想いが闇を拂い 君と繫がる
螺旋の境界を曝け 骨に絡んだ泥の人形
有明の月の如く 少女の刃 妖しく耀きて
螺旋の階を驅けて 幾多の夜を鎖した嵐
永久に續くならば せめて照らせよ
屆かぬ空木の穹


5.夜明けの旅へ

作詞:日山尚
作曲:MANYO
編曲:MANYO

荒波 鎮まる嵐の終わりに
夜明けを望む私は
私を傷つける刃より 消え去ることを恐れた
最後の羽 摑み取る
その剎那に崩れ墮ちる軀
手に入れた蝶のゆめに
希い葉える奇蹟が在るのならば
君が眠る 穹へ解き放とう
どうか君を守りますよう

未練に染まった泣けない蝶とは
線を數える罪人
けれど それは愛する淚や
希望の光でもあった
袖を內へ封じられた 無數の魂
さあ 飛び立ちなさい
遠い時代の先で また逢いましょう
指切りした小指は今も熱く 世界を滲ませる
君が生きる未來の果てを

さようなら 綾なす蝶の群れ
そしていつか 君が私を忘れる刻が來ても
それは君が幸せな燈と氣づきました
ありがとう…
だから 君が永い人生を 笑顏で終えるまでは
私は また獨りで逝きましょう
彷徨う蝶 探しながら
もう一度 天を目指して